http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20170217/ecn1702171130005-n1.htm
東芝の先行きがますます厳しくなってきた。取引銀行団は当面の融資継続を決めたが、
3月末以降は「白紙」だ。銀行団からは半導体事業を完全に切り離すことを要求されている東芝だが
、虎の子を手放してしまえば稼ぎ頭を失う。4月以降も債務超過状態が継続することが確実で、法的整理リスクも高まっている。
東芝の当初のシナリオは、半導体事業を分社化して新会社を設立し、その株式を3月中に2割未満の範囲で売却して債務超過を回避するというものだった。
ただ、米原発子会社で新たな不正が発覚するなど、東芝の企業統治に不信感を抱く銀行団からは、100%売却を含めて高値で手放し
抜本的に財務を改善するよう求められている。
このため、3月期末でも債務超過が継続することから、東証のルールにより東証1部から2部に降格することが確実になった。
こうした状況を受けて、国内系格付け会社の格付投資情報センター(R&I)は「財務基盤は深刻」として、
東芝の発行体格付けを3段階引き下げ、「シングルB」とした。経営再建中のシャープより1段階下の水準だ。
東芝は半導体事業をできるだけ高値で売って、原発事業で出た損失を穴埋めするしか道はなくなった。
ただ、政府は半導体事業を産業政策上、重要な技術と位置付けており、外資への完全売却は好ましくないとの考え方もあるという。
半導体事業を完全に切り離して売却資金を調達できた場合も懸念は残る。半導体と並ぶ柱だった原発事業について、
市場では新たな損失が出てくるのではとの懸念が強いためだ。
東芝は海外での原発事業を中心に縮小する方針だが、こちらも安全保障上の問題もあって好き勝手な処理は難しい。
綱渡り状態の東芝。一歩足を踏み外すと法的整理に転落する状況だ。