【IT】米ヤフー、新たな情報流出が発覚 「偽造Cookie」でパスワード入力せずにアカウントにアクセスできる状態に

http://gigazine.net/news/20170217-yahoo-hacked-again/


Yahoo.com(Yahoo)は2016年9月に自社のデータベースから5億人以上のユーザアカウント情報が盗まれていたことを発表
、同年12月には別件としてさらに10億人分のユーザーアカウント情報が盗まれていたことを発表しました。
過去に2件の大規模ハッキングを受けていたことを明かしたばかりのYahooですが、
新しいハッキングの痕跡が見つかっており、ユーザーアカウント情報はさらに流出しまくっていたことが判明しています。


Yahooが社内調査を行ったところ、ハッカーがパスワードなしでアカウントにログインするため、
偽造されたCookieを使用していた痕跡が見つかりました。ここから、2016年に発覚した2件の被害と同じようにユーザーのアカウント情報が流出してい
る可能性があるとして、可能性のあるユーザーに対して警告メッセージを送っています。Yahooユーザーに送られた
警告メッセージには、「現在進行中の調査によると、2015年または2016年にあなたのアカウントにアクセスするために
偽造されたCookieが使用された可能性があります」と書かれているそうです。

メッセージが送られたYahooユーザーの数は不明ですが、これは2016年10月に話題になった
「Yahooがメールの中身を勝手にスキャンしていた問題」と関係があるそうです。Yahooは2015年に政府機関からYahooメールの全アカウント
をスキャンするようなシステムの構築を要請され、
その要請を受け入れています。Yahooはメールをスキャンするために自身のメールサーバーにバックドアを仕掛けたといわれており、
今回発覚したハッキング被害では「この脆弱性の影響を受けていることが確認されている」とThe Hacker Newsは報じています。


インターネット上に存在するさまざまなサービスにログインするために、「ログイン状態を維持する」や「ログイン情報を記録しておく」といった
チェックボックスが表示されます。これにチェックを入れると、ウェブブラウザが保存したCookieが、
ユーザー名やパスワードをオンラインサービス側に知らせてくれるようになるので、PCの電源を切ったりブラウザを閉じたりしてもアカウントに再度ログインする必要がなくなります。

今回発覚したYahooのハッキング被害では、ハッカーはパスワードがわからないアカウントから個人情報を盗むために「偽造Cookie」を利用しています。
ハッカーはパスワードを盗む代わりに「偽造Cookie」でウェブブラウザに「既にログインしている状態」であると錯覚させ、個人情報を盗んだわけです。


Yahooの広報担当者は、「以前に開示したように、我々が協力を要請した外部の専門家は、侵入者がパスワードなしで
ユーザーアカウントにアクセスした可能性のある偽造Cookieについて調査しています。調査では、偽造Cookieが使用されたと思われる
ユーザーアカウントが特定されており、影響を受けた可能性のあるアカウントの保有者には、その旨を通知しています」と述べています。

なお、業績悪化から長らくネット事業の売却が噂されているアメリカのYahooですが、通信大手のベライゾンと買収で合意に近づいているものの
「ハッキング問題の発覚により買収額は2億5000万ドル(280億円)引き下げられる」とBloombergは報じています。