【野球】米コミッショナーがWBC消滅の噂を否定 噂は否定も今後も継続するかどうかは難しい チケットの前売り状況も…

米大リーグのロブ・マンフレッドコミッショナーがキャンプ地のフロリダ州レークランドを訪れ、今年限りでWBCが消滅するという噂話を否定した。カナダの「スポーツネット」電子版が伝えた。
 スポーツネットの記事は「マンフレッドコミッショナーメジャーリーグ機構が2017年以降も、引き続きこの大会に強く関わっていくと主張した」と見出しをつけて報じた。

 昨年、一部の米メディアが「2017年のWBC大会で目立った収益が挙げられない場合は、第4回大会を最後に大会がなくなる」と報じていた。
 チケットの前売り状況などを見る限り、急にWBC大会の人気が高まっているとは考えにくいが、同コミッショナーは、大会を続行する姿勢を明らかにした。

 同記事によると「マンフレッドコミッショナーは現行の16チームのトーナメントはまだ利用されていない潜在的な力があり、主要なスポーツイベントに成長させていくことにとても喜びを感じていると繰り返し、強調して話した」という。

 キャンプ地での会見で、マンフレッドコミッショナーは、「私は常にアイデアに対してはオープンでいる。開催時期やフォーマットなど、WBCをよりよいものにするものならば。しかし、今年が最後のWBCになるという考えは、私は支持しない」とも発言した。

 さらに、マンフレッドコミッショナーは「私は球団のオーナーたちからも大会をサポートするという同意を得ている。選手たちをチームのキャンプに留まらせたいという考えの関係者もいるだろうが、私はオーナーのレベルではそういうことを見聞きしていない」と話した。

 それでも、同記事を書いたスポーツネットのダビデ記者は、「2006年の第1回大会からWBCは、球団フロント、監督、コーチ、育成スタッフたちが、しぶしぶ選手を大会に送り出しているという問題に直面している。ケガや調整ペース、参加しないことの重圧を心配してきた」と、WBCが抱える問題を指摘。

 そして、2017年のカナダチームも、本来はカギとなる選手、レッズの強打者ジョーイ・ボットフィリーズの外野手、マイケル・ソーンダース、マリナーズの左腕ジェームス・パクストンらの有力選手が代表に入っておらず、捕手のラッセル・マーティンは、ケガのために出場を見送っていて、「ベストメンバーとは言いがたい」ことにも触れた。

米国代表は、過去最強メンバーをそろえたとも言われているが、それに関しても「米国代表は、以前の大会に比べてスーパースター選手が含まれているが、それでもマイク・トラウトエンゼルス)やブライス・ハーパー(ナショナルズ)という2人の輝かしいスターは出場しない」と疑問を呈した。

 マンフレッドコミッショナーも米国代表の本気度が大会の成否を握っていることを理解していて、「タンパベイ・ドット・コム」の報道によると、同コミッショナーは、米国でも他の参加国と同様に「関心とサポートが増していることを見たい」と話したそうだ。

 開幕を控えたキャンプ期間中に大会が開催されることも、選手たちが参加をためらう原因のひとつになっている。マンフレッドコミッショナーは「開催のタイミングについてはずっと話し合いをしてきている。これからも議論していく」と、今後は、大会時期の見直しを視野に入れていることも断言した。
 
 マンフレッドコミッショナーは、WBCの第1次ラウンドの開催中にプールA.プールBが開催される東京と韓国を訪問する予定だという。
 2015年に就任したマンフレッドコミッショナーにとっては、コミッショナーとしては、初めてのWBC大会になる。立場上、WBC消滅の噂を否定したが、現時点で、大会が今後も継続するかどうかは難しい。大会終了後に改めて総括されることになるだろうが、そのときにもWBC続行の姿勢を維持するかどうかに注目が集まる。

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