自動車販売世界一のフォルクスワーゲン 中国市場で濃厚になる不利益さ

http://www.epochtimes.jp/2017/02/26805.html

 排ガス量不正問題があったもかかわらず、独フォルクスワーゲンは2016年、世界販売台数が1031万台となり、トヨタを抜いて初の世界首位になった。フォルクスワーゲンは世界最大の自動車市場である中国に力を入れている。

 しかし、中国への依存は、長期的にはフォルクスワーゲンを失望させる可能性がある。

 フォルクスワーゲンは、2015年9月に排ガス量不正問題をめぐって、罰金や法律手続きで数十億ドルを失った。 これにより米国と欧州ではブランド価値を下げたが、中国では、ディーゼルの乗用車はまれであるため、あまり影響なかった。

 フォルクスワーゲンの中国における売上高は昨年、前年比で12%増加し、中国の自動車販売台数の40%近くを占めた。

 「中国の消費者は、ドイツのブランド、特に自動車ブランドに厚い信頼を寄せている」。大紀元の取材に答えた、アジア自動車市場の投資企業Dunne Automotive(香港拠点)の社長マイケル・ダン氏は分析する。

 ダン氏によると、フォルクスワーゲンは中国のSUV市場の占有率は2位。同社のほか、アウディメルセデス・ベンツBMWなど、ほとんどのドイツメーカーが、中国で見られる。

 日本人や韓国人と違って、中国人は少なくとも現在は、自国ブランドを好まない。しかし、消費者心理はこれから国産志向へと変化する可能性は十分あるという。

 中国政府による、国内自動車メーカを推す保護主義政策と、外国競争相手に対する独占禁止法の取り調べと罰金は、世界の自動車メーカーにとってリスクだ。

 「日本やドイツの自動車メーカー、最近ではゼネラルモーターズも、独占禁止法違反として2000万ドル~6000万ドルもの罰金を中国当局に支払った」とダン氏は述べた。

 しかし、外国企業は、中国での振る舞いに抑圧を感じるいっぽう、年間何百万台もの自動車を売って、利益を上げているのも事実だ。

中国参入 やがて濃厚になる不利益さ

 中国には、強制的な合弁会社の設立制度がある。海外の自動車メーカーは、現地の合弁事業を通じて、中国国内市場に参入することが許可される。

 米国のシンクタンク・情報技術革新財団(ITIF)の報告によると、中国は世界で最も重商主義の国である。その中国にとって、外国企業から国内企業を保護するためにとる手段は、「大規模な政府補助金、外国ノウハウの盗用、市場介入、大規模な輸出補助、政府主導の強制的な技術移転」と分析する。

 同組織スティーブン・エゼル(Stephen Ezell) 副代表によると、外国メーカーの中国市場参入するには、電気自動車やハイブリッド車など、重要な最新技術の漏えいという大きな代価を払わなければならなくなると指摘する。

 中国政府は不公平・不平等なルールを求めるが、外国企業は選択肢は限られている。 つまり、現在は、最大の市場である中国を離れる余裕はない。

 ドイツや日本など中国参入は、長期的に見ると、不利益さが濃厚になってくる。「やがて(外国メーカーは、中国国内メーカーの成長により)中国市場を失うだけでなく、ベトナムインドネシアのような市場も失うことになる。なぜなら。中国に明け渡たされた技術は、中国メーカーによる東南アジアの競争に、使われることになるだろう」と述べた。

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