【激震・朴政権】「容疑者」朴槿恵大統領に照準 韓国特検、弾劾審判後の朴氏強制捜査も[2/18]

 【ソウル=桜井紀雄】韓国の朴槿恵大統領と友人の崔順実被告の疑惑を捜査する「特別検察官」(特検)は、逮捕状再請求という背水の陣で臨み、サムスングループ経営トップの逮捕という難所を越えた。朴氏の罷免の可否を審理する憲法裁判所の決定後の“容疑者”朴大統領の強制捜査も視野に入れているもようだ。

 「朴大統領を収賄罪で罰しようする強い意志を示した」。一度は棄却された李在鎔サムスン電子副会長への逮捕状を再請求するという異例の戦術に出た特検について韓国メディアはこう指摘した。今月末に捜査期限が迫る中、再び棄却されれば、捜査が甚大な打撃を受けるとみられたからだ。

 今回、朴氏が崔氏と「利益の共有関係」にあったとし、朴氏を収賄側とみなす特検の見立ての下、贈賄側の李氏の逮捕の必要性を裁判所が認めたことを意味し、捜査に追い風となる。

 この見立てについて朴氏は「ひどいこじつけだ」と強い不満を表明していた。朴氏側は「李氏の逮捕と弾劾審理は別問題だ」と強調するが、贈収賄の立証は、憲法裁の審理にも影響する可能性がある。

 憲法裁は16日、「国政の空白が続き、ひたすら裁判を続けることはできない」とし、「24日に結審する予定だ」と告げた。この通りの日程だと、3月10日前後にも結論が示され、朴氏が罷免となれば4~5月にも大統領選が実施される。

 特検は16日、特別法に基づき30日間の捜査の延長を申請した。大統領府への家宅捜索も認められなかった状況で、特検には、“本丸”の朴氏の聴取なしには捜査を終結できないとの強い思いがある。

 朴氏側は直接聴取に難色を示し続けているが、憲法裁が罷免の判断を下せば、朴氏は不訴追特権を失い、身柄拘束を含む強制捜査が可能になる。

http://www.sankei.com/world/news/170217/wor1702170054-n1.html
http://www.sankei.com/world/news/170217/wor1702170054-n2.html

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囚人服姿の朴槿恵大統領のパネルを手に、韓国大統領府の近くで抗議する人たち=2016年12月、ソウル(共同)
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韓国の朴槿恵大統領の即刻退陣を求め、デモ行進する市民ら=2016年12月、ソウル(共同)