【サッカー】スコールズが予想する今季のユナイテッドの終着点「EL優勝とCL出場権獲得は可能」

天国への入り口か、それとも地国へ下る坂道か――。

マンチェスター・ユナイテッドが叩く扉は、どちらになるのだろうか。彼らは今のところ、4つの大会で勝ち残っている。プレミアリーグで優勝することは現実的に考えて難しいとはいえ、チャンピオンズリーグへの出場権を獲得できたなら、それはトロフィーを掲げたのと同じくらいの価値だと言っていい。果たして、赤い悪魔はオールド・トラッフォードのファンたちに歓喜を届けることができるのだろうか。

ユナイテッドの行く末を探る過程で、我々『Goal』は貴重な人物から証言を得ることができた。その人物とは、サー・アレックス・ファーガソン元監督の下でレッドデビルズの”心臓”となり、数々のタイトル獲得に貢献した歴代屈指のセントラルMFポール・スコールズだ。

スコールズはユナイテッドがヨーロッパリーグを制し、プレミアリーグでトップ4の座を確保することができると考えている。半ば確信を持っているかのように話してくれた。

ELではオールド・トラッフォードで行われた決勝トーナメント1回戦のサンテティエンヌ戦に3-0で勝利し、幸先のいいスタートを切った。一方、難敵ひしめくプレミアリーグではトップ4に食い込むために、負けの許されない戦いが続いている。ユナイテッドというクラブにとって、CLへの出場権を確保することは至上命題だからだ。

今後、過密日程になっていくことも予想されるが、スコールズは「大きな問題にはならない」と考えているという。

「ELだけじゃない。リーグカップFAカップも、そしてプレミアリーグも残っている。過密日程で選手たちにとっては厳しい戦いになるだろう。だが、今季は過密日程を乗り越えられるだけの分厚い選手層がある」

「シーズン真っ只中のこの段階で、選手たちはみな万全のコンディションにある。だから多くの練習は必要ない。私の考えでは、この時期の練習はただ形だけのものにするべきなんだ。選手たちには試合に集中してほしい。週末にもミッドウィークにも試合がある。厳しい日程が続いていくが、そんなことは気にせず、ひたすら試合に集中して臨んでいけばいい。その結果としてチームにいい流れが生まれて勝利を積み重ねられればいいね」



そう語るスコールズは、ユナイテッドの選手として公式戦718試合に出場し、155得点を決めている。その間、なんと11度もプレミアリーグを制している。

長年に渡ってシーズン中盤に必ず訪れる過密日程を経験してきた彼は、この時期の戦いが1年の命運を左右すると強調した。

「この時期の試合はどれも非常に重要だ。2月から5月が最も忙しい時期で、トロフィーを懸けた試合も多い。トロフィーを勝ち取ってもその喜びに浸る暇もないんだ。すぐ次の試合に目を向けなければならないからね。FAカップだろうとリーグカップだろうとヨーロッパリーグだろうと関係ない。とにかくすべての試合で勝利を目指して戦うのみだ」

イングランド代表の中盤も支えたスコールズは、ユナイテッドが戦うコンペティションに警戒しなければならない相手がまだ複数残っていると話す。もっとも、それでもユナイテッドには難敵をはねのける力があると確信しているようだ。

「ローマはトーナメントを戦うもう1つの強豪と言っていい。とてもいいチームだ。セルタとビルバオのスペイン勢も見逃せないね。ビルバオは安定して力を発揮するチームだ。けれども、ユナイテッドは彼らに勝ってトーナメントを駆け上がることができると思う」

「リーグ戦では思うような結果が残せていないように見えるが、トップ4で終わることはできると思うよ。チャンピオンズリーグに出場するチャンスなんだ」

ヨーロッパリーグは大きな大会に発展したけど、結局はそれもチャンピオンズリーグがあるからこそだと思う。今年もヨーロッパリーグの出場圏内に留まってしまうことはないだろう。最終的にはトップ4でシーズンを終えることができると思う。もちろん(ELは)力を傾けるべき大会だがね。最後にトロフィーを掲げられたら、間違いなく最高じゃないか?」