【社会】アパホテル前で演説したウイグル人男性「日本はすばらしい国家。中国人は天安門でデモをやればいい」[2/18]

 ホテルチェーン「アパホテル」が客室に「南京大虐殺」などを否定する書籍を置いているとして、日本在住の中国人らが、東京都新宿区でデモ行進をした5日、1人のウイグル人男性が沿道で演説を行った。「こんなすばらしい国、日本でこんなくだらないデモが行われている…」。

 ネットで「神演説」と拡散され、大きな反響を呼んだこの演説を行った男性、トゥール・ムハメットさん(53)。九州大で農学博士号を取得し、茨城県で会社員をしている。ムハメットさんは当日、どんな思いでデモに駆けつけたのか。東京都内で産経新聞に日本への思い、祖国で受けた弾圧を語った。(WEB編集チーム 三枝玄太郎

中国人は天安門でデモをせよ

 --ツイッターには個人の考えで、反アパホテルデモに反対するために、新宿に来た、と書かれていました。

 「産経新聞を読んだんです。近々、中国人による反アパホテルデモが新宿である、と。アパホテルの元谷さん(外志雄代表)が書いた書籍は一個人の考察に過ぎません。日本では言論の自由が保障されているのだから、自分たちも本を書いたり、メディアで訴えればいい。ところが中国はホテル全体、ホテルを使ってはいけないと、(中国)国民を脅迫する挙に出た。これだけで中国は言論の自由を許さない国家であることが分かります」

 「産経新聞を読んで知ったときには、デモは翌日に迫っていました。もう道路使用許可は取れないから、一個人として、せめてプラカードを持って行って、彼らに私の気持ちを伝えたかった。『あなたたちのデモはくだらない』と」

 --行動する保守運動の桜井誠代表からマイクを渡されてやった演説でした。突然で、おどろきませんでしたか。

 「あの現場には様々な立場の人たちが集まっていました。親中の日本人もいた。街宣右翼もいました。新宿中央公園からデモ隊を追って、アパホテル前まで歩いて行ったんですが、その間5~6回、マイクを渡されたんです。私がウイグル人だと分かると、沿道の皆さんが応援してくれました。自分の思いを訴えることができて、日本の皆さんに感謝しています」

 --なぜあのデモを許せなかったんですか。

 「日本は素晴らしい国家です。アジアで最も立派な、基本的人権が確立された国です。一方の中国は、どれだけの人たちを殺したのか。同胞たち、父母、祖父母たち…。どれだけ中国政府に酷い目に遭ったか、あなたたち(中国人)は知っているでしょう?あなたたちはここ(新宿)ではなく、天安門でデモをやるべきなんです。中国政府の中国人に対する虐殺を非難するべきなんです」

日本の警察官は平和の象徴、中国の警察官は暴力の象徴

 --日本の警察官に感謝の言葉をおっしゃっていましたね。

 「ええ。日本の警察はこんな不正義なデモですら、彼らを守ってくれる。日本の警察は平和の象徴です。それに対し、中国の警察はどうですか。中国の警察は暴力の象徴でしょう?まず警察に感謝しなさい。そう言いたかったんです」

 --中国のウイグルチベットに対する圧迫がひどいです。なかなか日本には伝わりませんが。

 「中国は自国民に何をやりましたか。大躍進、文化大革命天安門事件…。どれだけ中国人が殺されていますか。中国国内の民主派団体の計算では8000万人殺されています。天安門事件だけで2万人です。これになぜ抗議しないんですか。恥ずかしくないんですか」

 「沿道でうれしいことがあったんです。私はプラカードを十数枚用意したんです。『中国はウイグル人虐殺をやめろ』『日本はウイグルを支援する』『(注1)イリハム・トフティさんを釈放しろ』。虐殺の写真も用意しました。それを沿道の日本人の皆さんが一枚一枚手に取って、掲げてくれました。(注2)ヤルカンドの虐殺、この事件は2014年に起きたのですが、5千人くらい殺害されています。逮捕者は2万人に及びます。未だに消息不明の人がたくさんいます」

http://www.sankei.com/premium/news/170218/prm1702180019-n1.html

(>>2以降に続く)

http://www.sankei.com/images/news/170218/prm1702180019-p1.jpg
「日本はすばらしい国家。中国人は天安門でデモをやればいい」と話すトゥール・ムハメットさん=9日、東京都豊島区(三枝玄太郎撮影)