【国際】金正男氏殺害事件、逮捕の女2人にダミー説 オウム事件凶器、猛毒VXガス使用か[2/18]

 金正男氏の殺害事件の実行犯とみられる女2人について、ダミー説が浮上した。北朝鮮工作員にしては不自然な行動を取り、簡単に逮捕されているからだ。真の実行犯の存在すら、ささやかれ始めている。

 マレーシア警察は15日にベトナム旅券を持つ28歳の「ドアン・ティ・フォン」という女を逮捕、16日にはインドネシア人のシティ・アイシャ容疑者(25)逮捕した。

 地元メディアによると、アイシャ容疑者は調べに対し、「見知らぬ男に100ドル(約1万1400円)で持ちかけられた」と供述し、殺意を否認している。さらに、「いたずらビデオ」の撮影と説明され、前日に何度もリハーサルをしたと話しているという。

 ベトナム旅券の女の行動も不可解だ。白昼の空港で「LOL」と書かれたロゴのTシャツにミニスカートという目立つ服装をし、犯行後は空港に戻って逮捕された。自殺も覚悟し、工作活動に臨む北朝鮮工作員の行動として疑問が残る。

 正男氏が女2人による襲撃後も元気で、その後トイレに立ち寄って容体が悪化し、案内カウンターに駆け込んだとの情報がある。このため、真犯人は別にいるのではないかという見方すらある。

 一方、正男氏の殺害に使われた毒物として、韓国メディアは外交消息筋の話として、致死性の高いVXガスが使われた可能性があると報じた。

 VXガスといえば、オウム真理教による事件が思い出される。毒物事件に詳しい神奈川大の常石敬一名誉教授(化学史)は「かつてオウム真理教が使用し、1人が犠牲になっている。VXガスによって人が殺害された史上唯一の例だったが、正男氏がこれに続いたことになる」と語る。

 その恐ろしさについて、常石氏は「致死量はミリグラム単位で、猛毒サリンの10分の1程度と考えられる。短時間で効果がなくなるサリンと異なり、付着すると1週間程度は毒性が持続する」と説明し、続けた。

 「北朝鮮化学兵器禁止条約に署名していないため、VXガスを製造していてもおかしくない」

 北朝鮮が危険な毒兵器を持っている可能性もあるのだ。恐ろしすぎる。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20170218/frn1702181530001-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20170218/frn1702181530001-n2.htm

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/images/20170218/frn1702181530001-p1.jpg
逮捕されたインドネシア旅券を持つ女(クンパラン提供=AP)