■元コンサルが入って残業のないクソ会社になった[02/17]

2017-02-17
■元コンサルが入って残業のないクソ会社になった

事件は去年の四月に起こった。

元々うちの会社は残業率が高く、夜9時に半分ほどの社員が残っていた。会社に泊まる社員もたくさんいる。

だけど、辛い職場かというとぜんぜんそうではなく、毎日が文化祭の前夜みたいな感じだった。

休憩は1時間以上取っても何も言われないし、途中で抜けて銀行や役所に行ってもOK。業務中にツイッターフェイスブックに投稿しても問題なし。つまり、ネットし放題。
みんなで夜ご飯を食べに行って、その後ダラダラと1時間ほど喋るのが楽しかった。毎日の出社するときも「仕事に行く」という感じはまったくなかった。

ところが、社長はそう思っていなかったようだ。どこで知り合ったのか元戦略コンサルを引き抜いてきた。まだ電通の事件が起こる前だったけど、「労働時間短縮」に向けて動き出した。

それですっかり会社の雰囲気が変わってしまって、まるで居心地が悪くなった。

社内ネットワークを新たに構築し、個人の裁量だった各人のタスクをすべて可視化しなきゃいけなくした。

タスクごとに明確な締め切りを作って、それを守ることを最優先にした。なので、こだわって夜まで作り込むなんてことができなくなった。クオリティが低くなっても、時間厳守。

各々が自由に取っていた休憩時間も、時間がきっちりと決まって、時間内に昼食を取るよう言明された。

メール一本で許されていた遅刻が、申請が必要になって証明書の提出が絶対になった。

離席して社内ネットワークに30分以上接続していないと、理由を提出しなければなくなった。

SNSは原則禁止。ソーシャルの担当者だけ申請すれば10分だけ繋げられる。ただし、それも1日5回までと制限が付いている。

社内の雰囲気もどんどん変わっていった。ダラダラと雑談することはなくなって、職能の切り分けが激しくなり、他の役職との交流がなくなった。

確かに効率化はした。今じゃ定時に上がる人がほぼほぼで、夜9時に会社にいる人なんて1人か2人になった。

だけど、何の面白みもないクソ会社に成り下がった。文化祭的な楽しさはなくなって、息の詰まる職場になった。

定時に上がっても俺はすることがないので、副業をするようになった。収入は上がったよ。それだけが癒やしだ。

最近、離職が相次いでいる。酒を飲むと愚痴が多くなった。世の中の会社員のほとんどが死んだ目をしているのが不思議だったけど、今はわかったよ。健全な会社はストレスを生むんだ。

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