【領土】竹島での「日本人アシカ漁」の詳細な記録発見 島根県への編入前

2017年2月17日21時19分
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貴重な記録を残していた石橋松太郎さん
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 島根県は17日、1905(明治38)年に同県に編入される前の竹島で、
日本人のアシカ漁が記された文書が見つかったと発表した。竹島は日韓両国が
領有権を主張している。編入前の竹島での漁業の記録はこれまでにもあるが、
今回の資料はより詳しく、県の担当者は「日本人による竹島漁業の具体像が
明らかになる貴重な資料」としている。

 県竹島対策室によると、資料は隠岐の島町久見に住んでいた八幡才太郎
(1889~1979)が自身の来歴などを記録した「家系永代記録 板屋」
(板屋は八幡家の屋号)。八幡は生前、当時の村の収入役や議員を務めた。
昨年9月、八幡の孫が資料を持っていると、親戚から町に連絡があったという。

 資料では、八幡の親戚で竹島でアシカ漁を始めたとされる石橋松太郎
(1863~1941)が「明治三十年頃にランコ島(竹島)にメチ(アシカ)取りに人を
雇って行きました」と記録。アシカを火縄銃で仕留め、皮を塩漬けにして油を
とって大阪方面へ送ったとも記す。竹島から戻る度に、石橋は肉や魚、貝類で
酒盛りをしたという。

 県によると、八幡は1977年に当時の福田赳夫首相に送った直訴状で石橋の
アシカ漁を記したが、今回の資料は実態がより分かる。内容は県が所蔵する
記録や町での聞き取り調査の結果などとも整合性がつくという。町は昨年6月
オープンした「久見竹島歴史館」での資料のコピーの展示を検討しているという。
朝日新聞(石川達也)
http://www.asahi.com/articles/ASK2K55PTK2KPTIB00V.html
■外務省 竹島ページ(編入の経緯)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/takeshima/g_hennyu.html