【芸能】壇蜜「相談なんだけど」は「聞いてほしい話」と同意語 銀座のお仕事で薄々気づき始め…

 「ちょっと相談なんですけど」という言葉から始まった話は大体、相談ごとではなく、その人の「きいてほしい話」だったりします。気のせいでしょうか。

 新聞や雑誌の「お悩み相談コーナー」だと「子供が学校に行かないから」とか「旦那が飲んだくれて働かないので」とか、「どうしたらいいのでしょうか?」と明確な疑問符で締め括られるため、記事には答えやアドバイスが記されていますが、話し言葉だと、どうもそれとは違うように感じます。

 銀座でお仕事をしているとき、お客さんの持ちかけてくる相談を聞くこともありました。しかし聞いているうちに「答えが要らないのでは」と薄々気づき始め、壇蜜として務めていくうちに「あ、これは聞いてほしい感じの流れだ」とほぼ確信している次第です。

 無論、お仕事での悩み相談にはできる限りのお答えを差し上げていますが、会話をしていて「ねぇ、相談なんだけどさ」は「ちょっと聞いてよ」と同意語で、耳を傾けること自体が「相談に対する答え」になっている…そんなケースがほとんどではないでしょうか。

 真面目に聞きはしますが、私が明確な答えを出してみると、「でもさぁ、~だと思うんだよね」という解決策が相談者から出てくることが多過ぎて…、「えー…答え出てる~」と言いたくなってしまうんですもの。相談者向きじゃないですね。

 しかし、こんなことを気に病んでいても無駄なクヨクヨ行為です。最近では相談ごとには「あ、『後押し』か『反対勢力に勝った体験』が欲しいんだな」と解釈するようにしています。

 後押しとは「そうだね、アナタが決めたことが一番後悔しない方法だよ」という同意、反対勢力に勝った体験とは「ええー、そうとは思わなかった…(時間経過して向こうペースで話が進み)でもアナタすごいね。私にはできないや」という反論をどうにかして説き伏せる過程です。

 ここに私の答えはありません。答えなど最初から用意せず聞く相談の乗り方も、この世には存在すると分かったとき、改めて大人になったかも…としみじみするのです。

2017.02.17
http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20170217/enn1702171530002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/images/20170217/enn1702171530002-p1.jpg