【海外】グラミーは差別的で時代遅れ?最優秀アルバム賞を逃した「ビヨンセ・ショック」拡大…グラミーの白人贔屓を振り返る

http://www.youtube.com/watch?v=gzYUT9qD04Y

■それでもグラミーは最優秀アルバムをビヨンセには獲らせない

大方の予想を裏切り、ビヨンセの大名作『Lemonade』が最優秀アルバムを逃した今年のグラミー賞
受賞したアデルの機転の利いたスピーチにより感動エピソードで片付けられがちだが、
それではグラミーの、もっと言えば米国の根源的な差別意識は払拭されないと思い、
これを機に、グラミーがどのようにして黒人歌手と向き合ってきたか、その歴史を見ていこうと思う。

先述の通り、ビヨンセは再再度、最優秀アルバム賞を受賞できなかった。
受賞したアデルは、壇上から「受賞すべきは自分ではない」と言ったうえで、彼女を賞賛し、世界中の感動を得た。

「私はこの賞を受け取ることができないわ。恐れ多くも感謝の気持ちでいっぱいです。
だけど、私の人生におけるアーティストはビヨンセで、彼女の『レモネード』というアルバムはとてつもない作品。
ビヨンセ、圧倒的な価値のある作品よ。よく考えられていて、美しくて、ありのままの作品。
あなたが普段見せない、知らなかった側面をあなたは私たちに見せてくれた。
そのことに深く感謝しているの。そしてここにいるアーティスト全員が、あなたのことを敬愛しているわ。あなたは私たちの光なの」

「そして、あなたが私や私の友人、私の黒人の友人たちに与えてくれる感情に、とても勇気づけられるの。
あなたを愛しているわ。これまでも愛していたし、これからもずっと愛し続ける。
グラミーの皆さん、アカデミーの皆さんも大好きです。マネージャー、夫、そして息子も愛しています。
あなたがいるから、私がここにいる。ありがとう。皆さん、ありがとう」

実に謙虚で感動的な内容であるが、授賞式終了して以来、案の定、各方面からビヨンセに受賞させなかったことへの反論と抗議が殺到している。

中でも怒り心頭なのはフランク・オーシャン。
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彼はグラミーの黒人差別の現実から、自身の作品がノミネートに挙がる事すら拒否している。
その他、ジャスティン・ビーバーをはじめ、カニエ・ウエスト、ドレイクなどの人気大物アーティストも同様の理由から授賞式の出席をボイコットしている。

フランクがグラミーに公開した反論は以下の通り:

「実は今年はCBSの中継を見ようと思っていた。誰が最優秀アルバム賞を獲るのか見たかったからね。
というか、何が本当に最高とは言えないTV番組なのか分かるか?
それは、『トゥ・ピンプ・ザ・バタフライ』ではなくて、『1989』が、最優秀アルバム賞を獲るということだよ。
あれこそが、俺がこれまで見た最も欠陥があるTV番組だった。
視聴者は、あまりにTV番組がつまらなくて眠くなっちゃうから、みんな翌日に選んでYouTubeを見るだけじゃないか。
どうせなら、マジで蓄音機でも使って聴いたらどうだ?僕は今いる最高のアーティストのひとりだ。
文化的偏見とお前達が作る番組が生み出す苦痛について話し合いたいなら、もちろん応じるせ?それじゃあな」

■大手有名誌もこぞってビヨンセを選ばなかったグラミー批判

その他にも…

NYタイムズ
「『白すぎる』グラミー賞が現実となった日」

ワシントン・ポスト
「アデルが、ビヨンセを差し置いて最優秀アルバム賞を受賞したことで、グラミー賞が、今の時代に何の意味もないことが頂点に達した」

文芸雑誌ニューヨーカー
「毎年、今年こそはと思って見ているが、グラミー賞時代精神を映し出す日が来るなどということはないのでは?」

ローリング・ストーン誌「ビヨンセではなく、アデルが受賞した5つの理由」の理由として「投票者が白人で、年寄りだから」という記事まで掲載している。

と各方面から、非難の嵐が巻き起こっている。

>>2に続く。