【福岡】識者「邪馬台国の時代のクニがあった可能」 弥生時代後期の装飾品、国内3例目「連玉」22点出土…久留米・高三潴遺跡

福岡県久留米市の「高三潴遺跡」から出土した連玉
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 久留米市は16日、同市三潴町の高三潴遺跡から弥生時代後期(約2000~1800年前)の装飾品「連玉(れんだま)」が出土したと発表した。
弥生時代の出土は糸島市で2例あり、全国で3例目となる。専門家によると、邪馬台国の時代の小国が存在した可能性があるという。

 連玉は鉛を混ぜたガラス製で、直径約4ミリの球を厚さ1~1・5ミリにつぶして連ねた形。
2015年6~10月の調査で発掘された甕棺(かめかん)内部で計22点が見つかった。
中は直径1、2ミリの空洞で、糸を通し首飾りなどとして使われたとみられる。風化し白くなっているが、緑色だったと推定されている。

 糸島市では、当時の大国・伊都国の王や高い階層の人物の墓とみられる平原、井原ヤリミゾ遺跡から出土。
今回の発見は大規模集落があったと考えられる三潴地方と、大陸への窓口・糸島地方との交流をうかがわせる。
埋葬されたのは有力者と考えられるという。

 西谷正・九州大名誉教授(東アジア考古学)は「出土が希少な連玉が見つかったことは、
高三潴が伊都国ほどではないものの国として存在したことの裏付けではないか」と話している。【上田泰嗣】

http://mainichi.jp/articles/20170217/ddl/k40/040/479000c

 福岡県久留米市は16日、「高三潴遺跡」(同市三潴町高三潴)の弥生時代後期(1~2世紀)の甕棺(かめかん)墓から、
小さな玉を蛇腹状に連結した装飾品「連玉(れんだま)」が出土したと発表した。国内3例目で最古級とみられるという。
連玉は「伊都国」の王墓もしくは王族クラスの墓とみられる同県糸島市の2遺跡からしか発見されておらず、
識者は「相当な権力者が存在していたと考えられる」としている。

 久留米市文化財保護課によると、2015年6月から10月にかけて発掘調査をした。
連玉は直径4ミリの鉛ガラス製で計22点。表面は白色だが本来は緑色だったとみられる。
長さが1・5ミリ程度のガラス玉を溶かして複数接着しており、
糸島市の井原(いわら)鑓溝(やりみぞ)遺跡の甕棺墓で見つかったものと似ているという。
高三潴遺跡の甕棺内には多量の赤色顔料やガラス小玉もあった。

 高三潴遺跡ではこれまでに、小銅鐸(どうたく)などの青銅器が見つかっており、有力者が存在していたと考えられていた。
西谷正九州大名誉教授は「これまで連玉が見つかった平原遺跡(糸島市)は伊都国の王墓だというのが定説。
伊都国ほどの規模ではないだろうが、三潴にもクニが存在していた可能性がある」と話している。

=2017/02/17付 西日本新聞朝刊=

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/culture/article/308593