【経済】<百貨店>中国向け通販を強化、来日しなくても買って

毎日新聞 2/18(土) 9:00配信 最終更新:2/18(土) 10:39

百貨店による中国向けの通販が本格化している。三越伊勢丹ホールディングスは中国通販大手の「アリババ」が運営するサイトに日本の百貨店として初めて出店し、高島屋は通販アプリによる販売を展開している。
「爆買い」に象徴される中国の消費者の旺盛な購買欲は2015年がピークで、その後やや勢いが衰えたものの、百貨店にとっては依然として魅力的に映るようだ。【浜名晋一】

◇得意の婦人用品で

三越伊勢丹は昨年11月、通販サイト「天猫国際」に出店した。
サイトでは婦人服、子供服、リビング用品などを販売。天猫国際の顧客層は30歳代の女性がメインといい、三越伊勢丹は得意分野の婦人用品をセールスポイントにしたい考えだ。

商品は日本から発送するため関税がかかり、価格は日本の約1.3倍と割高だが、2017年度中には現地に4店ある伊勢丹の店舗でアフターケアを受け付ける態勢を作るなど、サービスの拡充に努めていく。

三越伊勢丹によると、訪日外国人による売り上げは3年前に比べて約3.7倍で、大部分を中国人が占めている。中でも伊勢丹新宿店は口コミで評判が広まり、ファッショナブルな若者に人気が高いという。
訪日中国人によって知名度が高まった三越伊勢丹のブランドをフル活用して、通販による売り上げ増を狙う。

ただ、海外ならではの障壁もある。
食品やニーズの高い化粧品も商品のラインアップに将来は加えたい考えだが、いずれも中国の法律による規制があるほか、1商品当たりの購入金額も2000元(約3万3000円)以内に制限されているという。

また、「ブラックフライデー」などイベント以外の時期に、サイトの露出が減るのも課題だ。現在、天猫国際の中で三越伊勢丹の「お気に入り」登録数は1万数千にとどまり、ユーザーが訪れるにはトップページから検索しないと入れない。

三越伊勢丹は「売り上げ目標にはまだまだだが、改善の余地や伸びしろはある」として、オリジナル商品やデザイナーズブランドの販売を強化する方針で、
「日本ブランドの高品質の商品を買ってもらえる、代表的なサイトになるよう成長したい」と話している。

高島屋は通販アプリ

一方、高島屋が力を入れるのは通販アプリによる販売だ。上海高島屋では既に通販サイトを開設しているが、2月からスマホでも購入しやすくしようと通販アプリを導入した。
サイトに掲載した商品の二次元コードを専用アプリで読み取ると、決済から商品の発送までできるシステムで、「『爆買い』の背景には日本の良質な商品に対する信頼感があり、中国の(消費の)ポテンシャルは高い」と期待している。

アプリで買える商品は、アクセサリーや美容液、おむつ、タオルなど多岐にわたる。日本で買い物をする中国人旅行客の消費動向は、高級ブランド品から化粧品などの消耗品に移行しているといい、今後も現地のニーズを見定めていく考えだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170218-00000013-mai-bus_all