【神奈川】箱根ガラスの森美術館、無休やめます…理由は?

読売新聞 2017年02月18日 09時20分

神奈川県箱根町仙石原の「箱根ガラスの森美術館」が来年1月、1996年の開館以来初めて連続11日間の休館日を設けることがわかった。今年4月からは開館時間も1時間遅らせる。
同館は年間約50万人が訪れる箱根観光の中核施設だが、働き方改革が問われる中で、年中無休だったこれまでの運営を見直すことにした。
従業員の休みを確保することで接客面のサービス向上につなげようという取り組みで、箱根の観光関係者からも注目されている。

休館日は来年1月8日の「成人の日」の翌日から19日までの11日間。
年末年始の人出が一段落して箱根全体の観光客が減少する時期で、岩田正崔館長は「入館者数はピーク時の3分の1なので、定休日を設けるよりも観光客への影響が少ないと判断した」という。

同館の従業員約80人は隔週で週休2日を取得するなどしているが、観光施設のためまとまった休暇が取りにくく、休暇の少なさが人材採用にも悪影響を及ぼしているという。

毎年この時期に休館日を設けることで完全週休2日と同等の休日数確保に近づけていく考えで、
岩田館長は「長期休暇に海外などで教養を深めることもできる。スタッフに気持ちをリフレッシュしてもらうことで、おもてなし精神の向上につなげたい」としている。

近年はホテルのチェックアウト時間が遅くなる傾向があることから、開館時間も従来の午前9時を同10時に変更し、従業員の負担軽減につなげる。給与などは従来の水準を維持する。

箱根の大型観光施設のほとんどは年中無休で営業している。
観光協会の秋沢直樹事務局長は、同館が長期の休館日を設けることについて「従業員の休みを確保するのは時代の流れだろう」とし、「他の施設が追随するか、逆にイベントを仕掛けてくるのか見守りたい」と話している。(丹下信之)

http://www.yomiuri.co.jp/economy/20170218-OYT1T50017.html?from=ytop_main4