【社会】飼い猫数 犬を逆転!? 「ツンデレ」にぞっこん カフェ、アプリも人気

空前の猫ブームの中、家庭などで飼われる猫の数が飼い犬の数に肉薄している。業界団体の推計では、4年前は約180万匹あった差が昨年は約3万匹にまで縮まった。地域住民が共同で世話をするパターンもあり、実数はすでに逆転しているとの見方もある。今月22日は「2(ニャン)」が3つ並ぶ「猫の日」。カフェや動画投稿アプリなど関連ビジネスも活況に沸く。

 ■「ツンデレ」がいい!?

 17日午後、大阪市北区猫カフェ「にあにゃあ」。訪れた“猫派”が、猫を触るなどして思い思いの時間を過ごしていた。

 大阪府八尾市の看護師、山口真美さん(34)は初来店。自宅で3匹を飼っているというが「普段はよそよそしいのにエサがほしいときは甘えてくる、そんな『ツンデレ』ぶりが魅力です」と笑顔を見せる。

 同店は昨年6月にオープンし、累計の来客数は9千人を超えた。男性の来客も多く、1人で訪れる仕事帰りのサラリーマンも珍しくないという。

 ■猫は横ばい、犬減少

 ペットフード協会(東京)の調査によると、平成28年の全国推計飼育数は、犬が約987万8千匹、猫が約984万7千匹で差は約3万匹。24年の調査では犬の約1153万4千匹に対し猫は約974万8千匹だった。猫の飼育数が増える一方で、犬が大きく減少しているのが分かる。

協会によると、地域住民が共同で世話をする「地域猫」や「公園猫」などは調査の対象外のため、担当者は「飼われている実数は、すでに猫の方が上回っているはずだ」と推察する。

 飼育数の変動について、動物と人間の関わりに詳しいヤマザキ学園大の新島典子准教授は「犬と比べ、猫は他人から譲ってもらう機会が多い。高齢化、共働き世帯の増加を受け、猫は犬に比べて世話が楽だからではないか」と分析する。

 ■動画再生数で圧倒

 人気に比例するように、猫の関連ビジネスは好調だ。関西大の宮本勝浩名誉教授(経済学)は27年の猫ブームがもたらす経済効果「ネコノミクス」を2兆3千億円と試算する。

 27年12月に配信された犬・猫専用の動画共有アプリ「モフール」は、ユーザーから投稿された動物の映像が人気で、6万ダウンロードを記録。動画投稿数は月1500件ほどあるが、累計の猫の動画再生数は約270万回で、犬の115万回を圧倒する。

 各地の「開運ネコ」も根付いている。佐賀県唐津市の酒店の猫で、両手を合わせてお祈りをする「福ちゃん」、なでると幸運を呼ぶとされる信貴山千手院(奈良県平群町)の「ミーちゃん」などは全国から訪れる人が後を絶たず、猫人気は今後さらに高まりそうだ。

http://www.sankei.com/west/news/170218/wst1702180036-n1.html