【芸能】長澤まさみが声優として好まれる理由 確かな演技力と歌唱力に評価

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2017年02月18日 06:50

 女優の長澤まさみが、ユニバーサル・スタジオの最新作『SING/シング』の日本語吹替版キャストとしてヤマアラシのアッシュ役を担当する。
まだ公開前ではあるものの、劇中で聞かせる歌声に注目が集まっている。
女優としての活躍はもちろん、声優としても多数のヒット作に出演する長澤が、声優として、アニメ業界で好まれる理由とは何か、探ってみたい。

 大河ドラマ真田丸』ではヒロインのきり役を務めるなど、女優として活躍している長澤は、第5回(99年度)東宝「シンデレラ」オーディションでグランプリを獲得してデビュー。
04年公開の映画『世界の中心で、愛をさけぶ』では第28回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞など数々の賞を受賞。ドラマ『優しい時間』、大河ドラマ功名が辻』など話題作に出演し、名実ともにトップ女優の仲間入りを果たした。

 女優としての印象が強い長澤だが、実は声優としても高く評価されている。
08年の『デトロイト・メタル・シティ』(OVA)でのヒロイン・相川由利役を皮切りに、11年にはジブリスタジオ製作の『コクリコ坂から』では主人公・松崎海を担当。
15年公開の『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』ではエミちゃん役、『君の名は。』では奥寺ミキ役を務めている。

 そして、今回、『SING/シング』では、パンクロックが好きなアッシュを熱演している。
この『SING/シング』という作品の最大の見どころは、誰もが聴いたことがあるヒットソングや名曲が60曲以上も劇中で流れることだ。
当然ながら、長澤演じるアッシュが英語歌唱する場面もあり、高い歌唱力も求められる役柄である。
ほかの日本語吹替版キャストもスキマスイッチ大橋卓弥や歌手のMISIAなど“本職”の人たちや、坂本真綾山寺宏一トレンディエンジェル斉藤司と歌がうまいことで知られるキャストばかりだ。

 これまで、長澤は歌手活動をしておらず、歌がうまいことはあまり知られていなかった。
しかし、ここにきて、ミュージカル『キャバレー』での主演、『SING/シング』での吹替と歌を披露する機会に恵まれ、がぜん長澤の歌唱力にも注目が集まったのだ。

 そもそも長澤が『SING/シング』にキャスティングされた経緯について、配給元である東宝東和の宣伝プロデューサーは
「まず白羽の矢を立てたのが、声優としても活躍して評価も高く、テレビドラマで英語の歌を歌い話題になった、長澤さんでした。
洋楽を英語のまま歌うこの役どころでは英語で歌えることも重要な選定基準でした。
また、オファーと同時期に初のミュージカル『キャバレー』への出演も決定したことで、名実ともに長澤さん以外に絶対にありえないとスタッフ全員の気持ちがより一つとなりました」と明かす。

 さらに、「アッシュはロックを歌うパンクな女の子で、彼氏の浮気により失恋し、歌の力で立ち直っていくという演技力も必要な難しい役」ということからも、
女優としても高い演技力を持っている長澤へのオファーは自然ななりゆきなのかもしれない。

 ちなみに『コクリコ坂から』の声優起用について、ジブリ鈴木敏夫プロデューサーは「三谷幸喜さん脚本のドラマ『わが家の歴史』でのお芝居が良かったのでお願いしました」と当時語っており、
やはり長澤の高い演技力こそが声優としての活躍の裏付けになっていることがうかがえる。

 確かな演技力を持ち、抜群の歌唱力を持つ。それこそが、長澤が声優として好まれる理由ではないだろうか。

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