【社会】女子中高生ら「夜の仕事は小遣い稼ぎ感覚」 LINEやSNSで求人拡散 昨年の大阪、69人補導 

大阪府内で昨年、風俗店などで違法に働いたとして、女子中学生19人、女子高校生22人が深夜に補導されたことが18日、大阪府警への取材で分かった。

ガールズバーや、制服姿で客にマッサージをする「JKリフレ」での勤務が目立ち、未成年全体では69人が補導された。
会員制交流サイトなどを通じて小遣い稼ぎ感覚で気軽に手を出すケースが増えているといい、
捜査関係者は「性犯罪などの事件に巻き込まれる恐れもある」と指摘する。(井上浩平)

◇メークで幼さ隠す

今月10日の深夜、大阪市都島区のJR京橋駅周辺。近くの路上でガールズバーの客引きをしていた18歳の女子高生と17歳と18歳の無職少女2人に、府警少年課の捜査員が声をかけた。
「中高生ぐらいの少女を雇い、深夜から早朝まで違法な客引きや接客をさせている」との情報が府警に寄せられたからだ。

大人びた格好の半面、幼さを隠すためか不自然に濃い化粧をしていた少女たち。捜査員が年齢確認のため身分証の提示を求めると、「財布を落とした」などと抵抗したが、諭されて捜査車両に乗り込んだ。

捜査関係者によると、少女らは声をかけて連れてきた客を、そのまま店内で接客。時給1300円前後の固定給に加え、客を店に紹介するごとに1人当たり千~2500円、中には客の飲食料金の2割を受け取る少女もいた。

いずれもツイッターを介して知人から誘われたり、ネット掲示板を見て応募したりしており、少女らは「洋服代や遊ぶお金が欲しかった」と説明したという。

◇店側も知りつつ…

ガールズバーやJKリフレをめぐっては、18歳未満を有害な業務に就かせたとする労働基準法違反容疑などで店側が摘発されるケースが各地で相次いでいる。

こうした状況を受けて府警少年課は昨年、ミナミやキタ、京橋など大阪市内の歓楽街で、深夜の補導活動を計9回実施。
ガールズバーやJKリフレで客引きや接客をしたなどとして、14~19歳の少女65人、16~18歳の少年4人を補導した。
成人と偽って店に履歴書を提出していたほか、店側も未成年と知りつつ雇用していたケースもあった。

府警が昨年5月に摘発した京橋地区のガールズバーでは、系列7店で働いていた中学生11人を含む18歳未満の23人を一斉補導。
同11月には大阪市北区のJKリフレで働こうとした中学3年の少女2人に「実技指導」と称してわいせつ行為をしたとして、店長の40代の男が児童福祉法違反容疑で逮捕されたこともあった。

◇求人把握しやすく

府警による同様の補導の集計は今回が初めてのため過去と比較できないが、違法な客引きや接客に手を染める少女は近年、後を絶たないという。
こうした背景には、無料通信アプリ「LINE(ライン)」やツイッターなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及に伴い、店側の求人情報が拡散しやすくなったことが挙げられる。

中には親に隠れて学校の友人同士で応募したケースもあったといい、府警幹部は「安い給料で女性を雇いたい店側と、合法的に働けない中高生らとの利害関係が一致している」と指摘。
「違法店は摘発逃れや店舗間の競争の激化で短期間で閉店することも多く、実態把握は難しいが、引き続き取り締まりを強化したい」と話している。

http://news.livedoor.com/article/detail/12690878/2017年2月18日 13時12分
産経新聞